汗をかかなくても臭いが外に漏れてしまうような重度のワキガの場合は、手術も検討した方が良いかもしれません。
わきがの根本的な治療を行うには手術をするしかないためです。
わきがクリームなどワキガ対策グッズはワキガのニオイを抑えますが、完全に無くす訳ではありません。
それでも手術にはコストもリスクもありますので、よく調べて検討されるのをおすすめします。
当サイトでは、まずはわきがクリームを使って対策することをオススメしていますが、参考までにワキガ手術についての知識をまとめました。
わきが手術の種類
ワキガのニオイを完全に断つにはアポクリン汗腺を取り除く手術が必要です。
ワキガ手術にも色々と種類があります。
脇ボトックスの概要
ボトックスは、ボツリヌス菌由来成分で作られる薬の商品名のことです。ボトックスのジェネリック薬品もいくつか製造されています。
ボトックスを患部に注射する治療法がボトックス手術と呼ばれています。
元々は皮膚痙攣などの治療に使われていたようですが、美容のシワ取りのために使われ、広まりました。
汗腺の働きを抑える効果もあり、脇に注射すると汗が減り、ワキガや多汗症に悩む人がボトックスを行うことがあります。
汗腺を除去する訳ではないので、数ヶ月で効果はなくなります。
費用
施術を受けるクリニック毎に値段も違いますが、大きくは注射する薬によって値段が変わります。
相対的な価格の差としては、
- 本家の米国アラガン社製「ボトックス」=50,000~70,000円
- ジェネリックのボツリヌス薬品=12,000~15,000円
これくらいの価格差となります。
ボトックスは、数十万かかる汗腺を除去する手術に比べて、費用が抑えられるのが特徴です。
効果と副作用
エクリン汗腺の活動も抑制し、汗自体が少なくなりますので、多汗症の方が受ける場合もあります。
もちろん、施術のスピードも10分程で終了し、早いです。
ただ、汗を少なくするだけですので、効果は長続きしません。3ヶ月~6ヶ月で効果が切れることが多いようです。
ボトックスは、エクリン汗腺の活動を抑えるだけという知見もあって、ワキガへの効果を疑問視する声もあります。ワキガレベルが重度の場合はワキガのニオイは残るようです。
痛み・傷跡・後遺症
注射なので、手術後に跡が残らないというがメリットの一つです。
副作用はほとんどないとされていますが、もともと毒素のある菌を注射する施術です。
薬品の保管状況、施術の技術によってはリスクはあると認識した方が良いでしょう。
信頼のおける医師、クリニックを選ぶことが大事です。
副作用としては、腕のしびれや倦怠感、不快感などが報告されています。
ミラドライの概要
ミラドライはマイクロウェーブを照射して、皮膚科のエクリン汗腺・アポクリン汗腺を破壊する施術です。
皮膚を切開することなく、施術も半日程度で完了します。
エクリン汗腺も破壊するので、多汗症にも効果があります。
すそわきがの治療も可能な点が特徴です。
費用
両脇の場合、300,000~400,000円が相場です。
保証有無で値段が大きく変わります。
体験後の感想などを提供するモニターを募集しているクリニックも多く、その場合は割引があります。
効果と副作用
機能を止めるボトックスと違い、汗腺を破壊するので、完全に汗をシャットアウトします。
破壊された汗腺は再生しないので、効果が持続するのが特徴です。
1度の施術ですべての汗腺を破壊できる訳ではないので、人によってはニオイが残ったり、再発したと感じる人はいるようです。
しかし、8割程度は破壊できると言われているので、効果は高い施術です。
痛み・傷跡・後遺症
皮膚を切開しないので、手術跡は残りません。
汗腺を破壊する程のマイクロウェーブを照射するので、皮膚の腫れや痛みはしばらく残るようです。
逆に、照射が足りないと汗腺が破壊できないので、意味がありません。
ペースメーカーを使っていたり、心臓の薬を服用している場合は施術ができない場合があります。
除去手術
汗腺を取り除く手術は大別すると、医師が部位を直接視て手術する方法と、機械を使用して除去する方法に分かれます。
直視下手術の効果と後遺症
医師が直接、手術する部位を見ながら行う直視下手術法の内、剪除法(せんじょほう)と呼ばれる方法が最もポピュラーな方法です。
皮膚を切り開いて裏返し、汗腺と皮脂腺を取り除く手術です。
皮膚はそのまま残すので、切開した部位が治るまで包帯で固定します。
どのくらい皮膚を切開するかは、ワキガの症状の重さや、本人の希望によるようですが、広範囲の汗腺を除去するためには大きく切開する必要があります。
手術後は、1週間程度の入院となります。剥がした皮膚を固定する間は清潔で安静な環境でないと合併症を起こす可能性もありますので、入院する必要があります。
医師が目で確認しながらアポクリン汗腺を除去するので、効果が高いのが特徴ですが、まれにアポクリン汗腺がまばらに残ることもあるようです。
アポクリン汗腺を皮膚と脂肪層から完全に剥がす直視下離脱法という手術法もあります。
こちらの方が取り残しがなく再発の心配がないと言われていますが、切開口が大きくなり傷跡は剪除法より残りやすくなります。
非直視下手術の効果と後遺症
皮下組織吸引法・超音波吸引法は、脂肪吸引と同じ要領で、アポクリン汗腺を吸引する方法です。
切開する部位が小さいのが特徴です。
ただし、医師が汗腺を目で確認することができないので、アポクリン汗腺が残ることもあります。
手術の費用
だいたいの相場観です。
直視下手術法の場合、300,000~500,000円
非直視下手術が、150,000~300,000円
剪除法でわきが手術を行う場合保険が適用される場合があります。
保険が効く場合は3割の負担で施術を受けることが出来ます。
わきが手術を積極的に行っている病院やクリニックでしたら、保険適用のノウハウもあるはずなので、事前に問い合わせることをおすすめします。
美容整形のクリニックでは保健不適用、形成外科での手術は保険適用の場合が多いようです。
わきが手術についてまとめ
ボトックス注射は、コストがかからない代わりに、数ヶ月で効果がきれる。
打ち直すことを考えると、結果的に高コストになる可能性があります。
ミラドライ、吸引の手術方法は、コストは高いものの、入院が必要なく、傷跡も残りにくいというメリットがある。
ただし、切開範囲が少ない手術では、完全にアポクリン汗腺を除去するのは難しく、臭いが残る可能性がある。
皮膚を切開する、直視下手術法はアポクリン汗腺を完全に除去できる可能性があるが、手術跡が残ったり、合併症を発症し治療が長引くリスクがある。
コストに関しては保険が適用されれば10万円以下で受けられる可能性がある。

メリットとデメリット、コストを吟味して決めよう!
わきが治療薬はあるの?
投薬での治療方法があるということは今のところ聞いたことがありません。
汗の質や皮脂腺に影響して、臭いを軽減させるサプリや食事などはありますが..。
わきがクリームも、汗を減らし、菌の繁殖を抑えているものですので、治療している訳ではありません。
わきがの根本的な治療は、汗腺を取り除くか、破壊するしかありませんので、手術を行う必要があります。
脇毛のレーザー脱毛でワキガが治る?
ワキガの治療を目的とした施術ではありませんが、脇毛のレーザー脱毛でワキガが改善されることがあります。
レーザー脱毛は、光を毛根に照射して毛根を焼く脱毛方法です。
アポクリン汗腺は毛根の周りに存在しています。
脱毛の際に、汗腺も一緒に破壊されれば、ワキガの臭いが軽減されます。
ただし、脱毛ですべての汗腺を除去できる可能性は少なく、中~重度のワキガが治るということは考えにくいです。
脱毛のメリットとしては他に、脇毛がなくなることで、菌の繁殖がしにくい環境になったり、デオドラントが肌に直接作用して、臭いを軽減できる効果は期待できると思います。
わきが手術をしても再発するって本当?
手術をしても、「再発した」と感じる人は少なからずいるようです。
上にも書きましたが、完全にアポクリン汗腺を除去するには大幅な切開が必要です。
手術の方法によってはアポクリン汗腺は残るということです。
とくにミラドライなどレーザーを使った方法では、残ったアポクリン汗腺が一時的に不活動化し、その後活動を再開することがあり、それを再発と捉える人がいるようです。
それでも、重度のワキガが軽度まで改善するだけで、価値はあるのかもしれません。
重度のワキガの人が、市販のデオドラントで効果を実感できるようになったり、わきがクリームで完全に臭いをシャットアウトできるようになれば、大きな効果とも言えます。

自分のワキガの症状、リスクとコストを考慮して手術をするか決めよう!
病院を選ぶときは保険適用の有無や信頼性をよく調べて決めよう!
アポクリン汗腺を完全に除去するのは大変なので症状が軽い場合はわきがクリームがおすすめ!